Magic Academy ~禁書に愛された少女~
「フギンってば。そんなに怒ってたら、眉間にシワがつくよ?せっかく可愛い顔してるのに」

イマイチ機嫌の直りきらないフギンに、そらは苦笑いしながらおでこをつついた。

「それに、こういうのは案外慣れてるし」

産まれたときは、死んでいる状態と同じくらい魔力を感じられなかったらしい。心配した両親は、あれこれ色んなことを試し、結果、ほんの僅な魔力ではあるが、そらは使うことのできるものを身につけることができた。

当然、小さな頃はそのせいでいじめられたり、からかわれたりもした。

なぜ、自分は魔法が使えないのか。

悔しくて、辛くてたまらなかった。

「まー、そもそもいろいろ言われたりすることなんてしょっちゅうだったし。だから、今さらそれが増えたところで、あんまし気にならないというか」

「それでいいわけ!?」

憮然とした顔のフギン。そらは苦笑した。

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