Magic Academy ~禁書に愛された少女~
「まぁ…もちろん最初は嫌だったよ?それが原因で喧嘩することだってしょっちゅうあったし」

昔のことを少し思い出して、そらは軽くため息をついた。

「でもさ、いちいちそんなこと気にして、へこんで、落ち込む暇があれば、もっと頑張った方がいいと思ったのよね」

うんうん、とそらは自分の言葉に頷いた。

「それにね、言葉ってさ、あんましマイナスなことに使わない方がいいと思うのよ。よく言うじゃない?良くも悪くも、自分のしたことは必ず返ってくるって。それって、言葉もそうだと思うんだ。なにより、気分悪いじゃん。言ってる方も、それを聞いてる子も」

そらの言葉に、フギンは頷いた。

「詞には時に信じられないような力が宿ることがある。うっかり口にしちゃうと、どうなるかわかんない。なのに…ところかまわず、嫌な詞を使う人間が多かった。だから…だから人間は嫌いだった」

じっとそらを見つめるフギン。

「そらは…違うみたいだね。ちょっと、気に入った」

少し照れた様子で、そっぽを向くフギンが可愛くて、そらははにかみながら、ありがとう、と呟いた。


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