Magic Academy ~禁書に愛された少女~
「ただいま」

ブーツを脱ぎながら、誰もいないリビングへと声をかけた。

「お帰り」

突如返された挨拶に驚き、そらはガバッと顔を上げた。

「だっだぉわぁ!」

勢いよく顔をあげたせいか、バランスを崩して思わず玄関のドアで背中を打つ。

「ったぁー…」

痛みに悶えていると、目の前にシークを持ったルンの姿が飛び込んできた。

「シーク!ルン!!」

嬉しさのあまり、片方のブーツを脱ぎきらないままに、部屋の中へと駆け込んだ。

「お帰り!もう…遅かったから寂しかったよー」

ぎゅっと2人を抱き締める。

と、シークがボソッと聞いてきた。

「なぜココにいる?」

「う゛」

「今は授業中のはすだろう」

「う゛う゛っ」

言葉が出ずに困っていると、小さく溜め息をついて、シークはそらの手の中に収まった。

「ま、なんとなく見当はつく」

そう言うと、それ以上は何も言わず、早く着けろ、と急かしてきた。
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