Magic Academy ~禁書に愛された少女~
「はぁ!?何言ってんのよ、ちょっと、渡しなさいよ!」

みやが、そらの持っているマンドレイクを奪い取ろうとすると、アッシュがそれを制止した。

「使いたかったら自分で引っこ抜いて使いなさいよ」

アッシュに睨まれて、みやはたじたじ、となる。

「う、うるさいわね!自分でやればいいんでしょ!」

ふん、と、みやはアッシュとそらを睨みつけて温室から出て行った。

「出て行っちゃった」

そらが呟くと、アッシュは笑った。

「負け犬の遠吠えってやつね。気にすることないって」

言われてそらは、うーん、と唸った。

「そうだ、アッシュにはこれ、どう見える?」

アッシュにマンドレイクを差し出すと、アッシュは不思議そうな顔をして頭を傾けた。

「これとはなによ、これとは!」

ユエがぎゃーぎゃーと文句を言っているが、アッシュには聞こえていないのか、うーん、と唸っていた。

「どうって…マンドレイクはマンドレイクでしょ?それがどうかしたの?」

「ううん、なんでもない」

そらが慌てて手を横にふった。


やっぱり、アッシュにも見えてないんだ。ユエの姿が。


そらがじっとユエを見つめていると、横から声をかけられた。

「なんか声がしたけど、どうかしたのか?」

うみとドルイドが側に駆け寄ってくる。ドルイドがそらの持っているマンドレイクをみて、目を見開いた。

「これ、なんだ?」

「またこれって言った!」

ドルイドの言葉に、ユエがまた怒った。すると、ドルイドがびっくりして後ずさった。

「喋った!」

ドルイドの言葉に、そらは驚いた。
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