おいしい紅茶を飲む前に
 シェリルを相手にする時には、必ず義務以上の仕事ぶりを見せるのは、極めて幼い頃からの彼の習慣であった。

それに、実のところ仕事ではなく、そこにはただ愛情だけがある。

ほぼ盲目に近いような、言うなれば溺愛に近い感情のみが。


 その感情が、見事にまっすぐに過保護へと向かっている。なまじ彼がほとんどすべての面において、完璧であるから始末におえないと言えよう。

反動が、感情面に現れているのだとすれば、その欠点の大きさくらい、許して差し上げてもいいのではないだろうか。


 そして愛情というものは、対象が増えたところで分割されるものではない。

少なくともフレディの場合。
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