おいしい紅茶を飲む前に
 それはどこからともなく現れるのか、あるいは泉のように湧いて出るのかはともかく、総量として増加しているのが明白たる事実なのであった。


 つまり、妹だけではなく、このロンドンで彼は、――今この瞬間、視界にしっかりと入ってしまった『彼女』を……、


―――今?



 ……眩暈がしそうだ。

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