おいしい紅茶を飲む前に

「絶対にここを離れないで待っていなさい。いいね。この絶対は、絶対だ」

 返事をする間も与えないで、フレディはシェリルを中途半端な路上に残して行ってしまった。

歩いている人達のためにも、ここ、の範囲を広げるべきだと思い、シェリルは三歩、前へ進む。

 そして、頭に閃いたのは、例によってろくでもない考えだが、彼女にとっては至極当然に導かれた言い訳ではなく意見。


 私は返事をしなかったのだから、守らなくてもいいはずだ。他の誰でもないフレディが、私に言ったことがある。納得のいかない命令であるのなら、意見を述べるべきなのだと。

意見を述べる時間を与えなかったのは、フレディの過失だと判断していいところじゃないかしら。これは。
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