おいしい紅茶を飲む前に
策略などとは関係のない言葉が、最後に口から出てくる。考える様な手順を踏まずに、それは心から真っ直ぐに。


「メレディス、お願い。フレディが心配なの。あの人、私のお兄ちゃんなんだから」


 しばし佇んだ後、彼は馬車の扉を閉じた。方向を百八十度転換する。栄華を極めるその館に、向かい合うために。


「わかりました。シェリー様」

「メレディス、ほんとに?」

「私もご一緒に参りましょう。こちらですよ」


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