加納欄の想い シリーズ12
 1人の男が、高遠を拳銃で狙っていた。

 あたしは、手近な男をなぎ倒しながら、高遠のところへ全力で走り、高遠を突き飛ばした。

 高遠は、前のめりに倒れ、銃弾は狙いが外れ、あたしは、勢いよく、瓦礫に突進した。

 突進された瓦礫は、あたしに勢いよく落下した。

 あたしは瓦礫の下敷きになりそのまま意識を無くした。



「欄!しっかりしろ!目を開けろ!」

「欄!大丈夫か?おい、タカ!欄、大丈夫なのかよ!」

 遠くのほうで声がした。

「欄!目を開けるんだ!欄!」

 あたしは、ゆっくり目を開けた。

 2人の男の顔があった。

 2人は、顔を見合わせて、ため息をついた。

「大丈夫か?」

 高遠さんが、聞いてきた。

 あたしは、小さく頷いた。

「なんで・・・ここの、場所が・・・」

高遠さんは、あたしのピアスに触れると。

「記憶なくしても、コレを捨てなかったからな」

「発信器さ」

大山さんが、その後の言葉を、ひきついだ。



え?



ホントについてたの?



「立てるか?」

 あたしは、ゆっくり起き上がった。

 グルグルに巻かれていたロープは、ほどかれていた。

 頭から血が流れていた。

「記憶、どこまで戻ってるんだ?」

 高遠さんに、聞かれた。

「中国にいた時のこと。孔明師範に、武術を習っていた時のことと、武田のことは、会った時にすぐにわかったんだけど、それ以外が曖昧で・・・孔明師範に、教えてもらいました」

「アイツに?何を」

「あ、あなた達が、マフィアだってこととか、りょ、遼のこととか・・・」

2人が目を丸くした。

「マフィア?」

「はい・・・。でも、違うみたいだし、ホントは、何者なの?武田は、あたしも刑事だって」

「ほぉ~。記憶は無いわけね、俺達のことはいっさい」

「ごめんなさい。でも、頭の奥で聞こえてた、私を呼ぶ声は、あなた達だった」

「孔明はどうしたんだよ。なんで黒龍会につかまってたんだよ」

「私もよくわかんないんですけど、なんか、孔明師範と黒龍会の間で麻薬の密輸の取引をしてたらしくて、でも孔明師範は、断ったらしいんです。その事が気にいらなかったみたいで、黒龍会が孔明師範を襲ったんです。たまたま私がいただけで、他の部下は、皆殺されました」

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