加納欄の想い シリーズ12
「麻薬、ね」

「武田は、どうしたんですか?」

「あぁ、お前の瓦礫のゴタゴタで、逃げた」

「そうですか」

「ちょっと向こう見てくる。任せたぞ仁」

 高遠さんは、そう言うと、倉庫を出て行った。

 大山さんと、2人だけになった。

 大山さんは、ハンカチを差し出した。

「血が」

「え?あ、ありがとうございます」

 あたしは、ハンカチをかりて、どこについているのかわからない血をふいた。

「バカ、そこじゃない。かせ」

 大山さんは、ハンカチを取り戻し、血が出ているところに触れた。

「った」

 思わず、大山さんの腕をとった。

「少しは、傷口きれいにしておかないと、バイ菌はいるだろ?こんなにアザだらけになりやがって。見せろって、ふいてやるから」

「ホントに痛かったんですよ。もう少し優しく拭いてください。大山さん」

「大山さんって・・・」

 大山さんの動きが、とまった。

「欄・・・」

「・・・はい」

 あたしは、大山さんを見た。

「お前・・・アイツと・・・」


アイツ・・・?


「だから・・・アイツと・・・」

「なんですか?アイツって」



何の話し(-.-)?



「何の話しですか?」

「あぁ、だから・・・い、いやぁ、お前が孔明と結婚してたなんてなぁ。知らなかったぜ。なんで、言わなかったんだよ」

 大山さんは、おどけたように話した。

「・・・・・・」



その事?



「それは・・を」

「お祝いしないとなぁ」


 ズキッ。


 心が痛くなった。なんで痛くなるのかは、わからなかった。

 でも、ちゃんと説明をしたかった。

「あのっ。記憶がないんです」

「知ってるよ」

「そうじゃなくて・・・結、婚の・・・」

「あ?」

「あの、結婚したことを教えてくれたのは、孔明師範なんです。私が、武術を習っていた時に、孔明師範を好きになって、私から孔明師範に、告白したって。それで、孔明師範も、意識しはじめて、結婚したって」

「ホントの事かよ」

あたしは、頭を左右にふった。

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