加納欄の想い シリーズ12
「わかりません。でも、孔明師範の記憶が戻った時に、師範と弟子以上の感情を持ち合わせていたから・・・私、もしかしたら、孔明師範と、結婚、したのかなって・・・それに、孔明師範が、私とのこと、なんでも知っていたし。だから・・・」

「だからあの時、頷いたのかよ」

 あの時の事を、思い出していた。

 孔明師範の言葉にそそのかされて、あたしは頷いた。

「オレのことは、思い出さないのか?」

「え?大山、さん、の事、ですか?」

「孔明より、遼より、まずはオレを思い出さないといけないんじゃないのか?」

 そう言って、大山さんは、力一杯あたしを抱きしめた。



え?



え?



なんでぇ?



なんで、抱きしめられてるのぉ?



「あ、あのっ!」

 あたしは、大山さんの胸の中で、もがいたが、大山さんは、離さなかった。

「バカヤロウ。こんな目にあいやがって。オレの言うこと、聞かねぇからだよ」



何の話し?



離してって・・・。



「欄」

 大山さんが、あたしを見た。

「な、なんですか?」

 なんとなく、恥ずかしくなった。

 こうやって、抱きしめられてることも。

 心臓が、早くなっていくのが、わかった。

「は、離して」

 顔が赤くなるのがわかった。



ヤダッ(>_<)



見ないでよぉ。



「欄」

 大山さんが、またあたしを呼んだ。

「お前が好きだ」



え?



なん・・・て・・・。



 大山さんが、あたしを見つめていた。

「・・・」

 大山さんが、話しかけようとした時に、あたしが、おもいっきり平手打ちをした。

「・・・いい加減にしてよ!人の記憶が無いことをいいことに、好きだとか、愛してるだとか!遼も、孔明師範も、大山さんも!なんなの!?自分の気持ちだけおしつけて!しまいには、結婚は嘘かもしれなくて!私の気持ちなんて関係ないじゃないですか!記憶が例え戻ったとしても、私はあなたなんか好きにならないんだから!!」

 そう言った瞬間に、頭に激痛が走った。

「アァッ~」

「欄!」

 大山さんが、そのままあたしを、抱き止めてくれた。

「欄!どうしたっ!しっかりしろ!欄!」

< 32 / 43 >

この作品をシェア

pagetop