加納欄の想い シリーズ12
「嘘?嘘なんてついてないですよ。何の事ですか?」

「結婚なんてしてないじゃないですか!」

「あぁ、そんな事ですか。キスのことかと思いましたよ」

「キス?」

 大山先輩が、反応した。

「あれはっ!違っ!」

「違う?私のキスを受け入れたじゃないですか。あれは、嘘なんですか?激しく求めたじゃないですか。あれは、してないっていうんですか?」

「激しくなんてっ・・・」

「おい、欄。アイツの嘘だろ?」

「あ、あの・・・」

「ホントのことですよ。欄と私はキスしたんですよ。まぁ、キスなんて挨拶みたいなものですから、何もムキになるほどの事でもないですがね。それより、前にお前を抱いたことを報告しましたか?」

 動けなかった。

 血の気が引いた。

 頭に、あの時のことが、フラッシュバックした。

「・・・な、んだよ。欄、何のこと、言ってんだよ。前って・・・。中国の時の話し、か?」

「・・・・・・」

答えられなかった。

「欄、上司に報告は義務じゃないんですか?大山さん、この前の、雨の時に、欄を抱いたんですよ。熱でもあったんですかね、抵抗もせず、大人しく抱かれてましたよ」

 孔明師範は、意地悪そうに、笑った。

 大山先輩が、ゆっくりあたしに振り向いた。

 あたしは、大山先輩を見ることが出来なかった。

「おい、欄。何か言えよ。雨降って、熱があった時って・・・お前、体調悪かった日あったよな。まさか・・・」

「欄、記憶は、戻ったんですよね。あの時の記憶が、ないはずはないですよね。答えてあげたらどうです?」

「欄、ホントなのか?どうなんだよ!」

「・・・・・・すみません」

 大山先輩は、あたしの頬をおもいっきり張り倒した。

 あたしは、そのまま、地面に崩れた。

「裏切られたとでも、思っているのですか?最初から、欄は君のことなんて、目にも掛けていませんよ」

 孔明師範は、笑っていた。

「なんで言わなかったんだ!その時にレイプされたことを!」



レイプ・・・。



 孔明師範も、笑うのをやめた。

「聞き捨てならないことを言いますね。レイプとはなんです!」

「そうだろうが!合意じゃねぇセックスはレイプなんだよ!」

「合意ですよ。何を言ってるんですか」

「てめぇ」

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