加納欄の想い シリーズ12
見えない・・・。



いるはずなのに・・・。



 辺りを一周見回した瞬間に、今までにない爆音と、爆風があたしを襲った。

 あたしは、爆風にあおられて、床を転がった。

「イテテテテ」

 あたしは、なんとか立ち上がった。

「欄!!いるのか?」

 大山先輩の声が聞こえた。

「大山先輩!!」

 あたしは、声のする方へ、無我夢中に走った。

 孔明師範が、仕掛けた火薬が勢いをまし、至るところで爆音が聞こえた。

 倉庫の柱が折れ始めていた。

「うわっ!」

大山先輩の声が聞こえた。

「先輩!」

 あたしは、大山先輩のところへ走った。

 孔明師範が、ナイフを持って、大山先輩に、切りつけていた。

 大山先輩は、紙一重で交わしていた。

 あたしは、大山先輩を突飛ばし、孔明師範が、ひとつきした前に飛び出した。

「アッ……」

 ナイフは、あたしの右脇腹に刺さった。

 孔明師範の驚愕の顔があった。

「欄・・・なんで、いるんですか・・・」

「欄!お前・・・おいっ!」

 あたしに突飛ばされた、大山先輩が、戻ってきた。

 あたしは、立ちすくんでいた。

 孔明師範を見た。

「孔、明、師範。も・・・やめて・・・、イッ!」

 あたしは、倒れそうになった。

「欄!」

 2人同時に、手を差し出した。

「しっかりしろよ!」

「欄!」

「てめぇ!欄にっ!」

 大山先輩が、孔明師範の胸ぐらをつかもうとした。

 あたしは、その手をつかんだ。

「大、山、先輩、もぉ、ヤメテ・・・やめてくれないなら、ナイフを抜いて・・・」

 あたしは、手をナイフに近づけた。

「バカ!やめろって!わかったから!」

 あたしの脅し文句は、とりあえずきいたようだ。

「欄、病院へ・・・」

「立てるか?ほら、肩に腕回せ」

 大山先輩と、孔明師範が、肩をかしてくれた。



なによ。



仲良くできんじゃん(-.-;)



 爆音が響き、柱が降ってきた。

「欄、逃げなさい!」

 孔明師範は、あたしに肩を貸すのをやめ、降ってきた柱を片っ端から、蹴りあげた。

「欄、我慢しろよ!」

 大山先輩が、あたしを抱き上げ走ろうとした。
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