共鳴り

明けた空の下で

清人が目を覚ましたのは、それから数時間後だった。


レナちゃんが泣いてて、俺もマジで泣きそうになって、急いで部屋を出て、嶋さんたちに伝えに行った。



「キヨが起きたでー!」


安堵の表情になる者、不貞腐れた顔を崩さない者、若い子らは飛び上って喜んでて、とにかく嬉しくて仕方がなかった。


嶋さんはつまんなそうな顔してたけど、きっと本心を隠しているんやろうと思う。


国光さんは、喜びながらも少し困った顔をしている。



「…どしたん?」


「んー、ちょっと厄介なことになりそうな話でね。」


「園田とかのこと?」


問うたが、彼は教えてはくれなかった。


それ以上は俺も聞けなかったけど、少し冷静になった頭で考えれば、清人が助かったからそれで終わり、ではないはずや。


園田がパクられたってことは、色々と面倒なことになるやろうし、宮内との関係もカタがついたわけではないんやから。


嶋さんや国光さん、他にも幹部数名が集まり、あんまり良い状況ではなさそうや。



「こっちのことは俺らに任せて、銀二は戻りなよ。」


結局、国光さんにそう言われたので、俺はきびすを返した。


それから携帯を取り出し、レイコさんの電話を鳴らす。



『銀二から電話なんて、珍しいわね。』


「うん、アイツ目覚ましたん、一応伝えとこうと思って。」


『あらそう。』


軽く言われたけど、こんな明け方も近い時間までレイコさんが起きてるなんて、きっと寝ずに心配してくれてたんやろう。


やから、色々ありがとう、と伝えた。

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