共鳴り
「嶋さんってホント勝手よねぇ。
宇宙一勝手だし、きっと勝手に地球に来る宇宙人より勝手よ。」
呆れたように言う彼女に、国光さんは相変わらずへらへらと笑いながら、伝えときますよ、と返した。
そんなものにもレイコさんは顔色ひとつ変えることはなく、この人は一体どんな人なんかと思った。
多分嶋さんとは、気の置けない間柄やろう。
ため息を混じらせた彼女は、再び俺へと視線を戻す。
「名前は?」
「銀二。」
と、答えたのは、俺ではなく国光さんやった。
眉を寄せてその顔をいぶかしげに見た俺をははっと軽く笑い、「嶋さんがそう言ってたから。」と付け加える。
「銀メダルの二等賞、ってね。」
思い出しても笑えるわ。
俺、銀メダルの二等賞で“銀二”やねんて。
何でも一番やないと気が済まんって思ってた頃もあったけど、確かに俺、清人に何もかもで負けてたし。
殴られ続けてた俺は、あの時馬鹿みたいに震えてた。
助けてくれ、死にたくない、って心の中では叫んでたし、多分そういうの、嶋さんはお見通しやったんやろう。
「俺、そんなけったいな名前ちゃいますけど?」
「お前の名前なんかどうだって良いんだよ。
嶋さんがそう言ってんだから、お前は今日から銀二なのー。」
つまりは過去は捨てろ、ってことだな。
そう言ってまた軽くははっと笑い、国光さんはガムを噛みながら煙草を咥えた。
それが俺の“銀二”の由来や。
宇宙一勝手だし、きっと勝手に地球に来る宇宙人より勝手よ。」
呆れたように言う彼女に、国光さんは相変わらずへらへらと笑いながら、伝えときますよ、と返した。
そんなものにもレイコさんは顔色ひとつ変えることはなく、この人は一体どんな人なんかと思った。
多分嶋さんとは、気の置けない間柄やろう。
ため息を混じらせた彼女は、再び俺へと視線を戻す。
「名前は?」
「銀二。」
と、答えたのは、俺ではなく国光さんやった。
眉を寄せてその顔をいぶかしげに見た俺をははっと軽く笑い、「嶋さんがそう言ってたから。」と付け加える。
「銀メダルの二等賞、ってね。」
思い出しても笑えるわ。
俺、銀メダルの二等賞で“銀二”やねんて。
何でも一番やないと気が済まんって思ってた頃もあったけど、確かに俺、清人に何もかもで負けてたし。
殴られ続けてた俺は、あの時馬鹿みたいに震えてた。
助けてくれ、死にたくない、って心の中では叫んでたし、多分そういうの、嶋さんはお見通しやったんやろう。
「俺、そんなけったいな名前ちゃいますけど?」
「お前の名前なんかどうだって良いんだよ。
嶋さんがそう言ってんだから、お前は今日から銀二なのー。」
つまりは過去は捨てろ、ってことだな。
そう言ってまた軽くははっと笑い、国光さんはガムを噛みながら煙草を咥えた。
それが俺の“銀二”の由来や。