国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
「マルス様。申し訳ございませんでした。
神官長である、この私がマルス様をお招きしたことをすっかり忘れ、この不手際。
どうぞお許しください」
「・・いや、俺のほうこそ騒がせた。改めて馳走になろう」
全員が嘘だとわかるウルウの言葉にも助けられ、とりあえず、場は落ち着きを取り戻した。
ウルウがマルスに席を譲った巫女の分の食事を用意させると、少し遅れて、朝の食事がはじまった。
マルスは、レアと同じ、粗末な食事に手をつける。
・・レア。この私を恐れずに意見するのは、これで二度目か。
ウェスタの巫女が唱える純潔とは名ばかりで、娼婦となんら変わらないと思っていたマルスは、
今までに自分が会った、どんな種類の人間とも違うレアに、ますます惹かれた。
・・奴隷であったことなど、かまうものか。
先ほどシギネアがレアたちを奴隷とさげすんだことを、嫌悪したマルスは、
それが、自分の底に沈んでいるものとまったく同じものであることにたった今気づいた。
そう--、奴隷だから、これは恋ではない。たんなる興味にすぎない。
そう言い聞かせた自分の姿がシギネアの醜悪な姿と重なり、マルスは思わず感情をあらわにしてしまったのだった。
・・俺は、レア。お前のことが。
自分の隣で、静かに食事をするレアの横顔を、マルスは熱い瞳で見つめた。