国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
レアは、マルスに侮辱罪で捕らえられるかもしれないと思いながら言葉を発した。
過去にレアはマルスに意見したことはあったが、それらは直接マルスを非難するものではなかった。
だが、今回は、あからさまにマルス自身を否定した発言をしたのだ。当然、烈火のごとくマルスの怒りが自分を焼き尽くすだろう。
そう思いながらも、
一方では、自分の話に耳を傾けてくれるのではないかという思いもあった。
しかしそれは、あくまで希望的観測に過ぎず、当然のように罵声を浴びせられるのだろうと覚悟していた。
だから、王が言った一言に、レアはとっさに言葉を返せなかった。
「どうすればよい?」
どうすれば。
どうすれば、周りに尊敬のできる人間が集まってくる?
媚びへつらわず、怯えることもない、自分と対等に話しあえる人間が。
レアはマルスの言葉を聞いたとたん、胸に熱いものがこみ上げてきて、
決して泣くまいという決心が、もろくも崩れさってしまった。
「マルス様。人の話に耳を傾けてください。今、私の話を聞いてくださったように。
そうすれば、自然にすばらしい方々が山のように集まります」
「なぜ泣く?俺は、お前を怒鳴ってなどいないぞ。罰するつもりもない」
マルスには、レアの涙の理由に、皆目見当がつかなかった。