国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
今にも雨粒が落ちてきそうな曇天が、神殿だけでなくウェスタ国全体を覆っていたその日。
それらの雲をはらうかのような、人々の熱気のうねりが、国中をかけめぐっていた。
レアは、全ての支度を整えると、部屋の中でひとり瞑目し、思いを凝らしていた。
指の震えをとめようと掌をきつく握り締めると、ますます震えが増した気がした。
・・あぁ、私にこんな役目が務まるのかしら?
サラ、私、どうすればいいの?今すぐ逃げてしまいたい。
レアは、サラや、他の仲間たちに会いたくて仕方がなかった。
巫女に任命されて以来、みな忙しくてなかなかゆっくり話すことができなくなっていた。
特に上級巫女になったレアは、他の仲間と触れ合う時間が格段に減ってしまい、
話はおろか、顔を会わせる事すら少なくなっていた。
レアは、今更ながら、悩みを相談できる友のありがたみをひしひしと感じていた。
と、
突然風が通り抜け、レアの体温をふわりと奪っていった。
人の気配を感じて、レアはそれが自分を呼びにきたウルウなのだろうと分かってはいたが、
サラならばいいのに、とほんの少し期待した。
他の巫女たちも、今日は他人に関われないほど忙しいのは百も承知だったが。