国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
雲間から太陽が姿を見せないまま、クリナリア祭は開始の刻限を迎えた。
街全体でのクリナリア祭は、すでに多くの人や、それ目当ての行商人などが活発に行きかい、昼間からすでに始まっているも同然だったが、
本当の例祭の開始は、夕刻太陽が沈んでから行われる。
ウェスタでは、火による信仰が行われているため、クリナリア祭では、多くの炎が使われる。
ぎりぎり雨が降らなかったことを、一番ほっとしたのは、この例祭の責任者である神官長のウルウだった。
「我がウェスタの神の代理人、国王、マルス・シルウィクの名において、
クリナリア祭の開始を宣言する!!」
マルスが天に向かって高らかに告げると、民衆からは、歓声と拍手が沸き起こった。
すでに、多くのかがり火があちらこちらにともされ、人々の興奮した顔を照らしている。
炬火を手にした神官たちが神殿の前にこしらえられた舞台の上に現れると、
天を突き破るほどに響いていた音が、一瞬にのうちに闇にとけて消えうせた。