国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい

舞台の裾を取り囲むように、巫女たちがやはり炬火を手に、決められた配置につく。


このクリナリア祭で表舞台に立てるのは、新人巫女という決まりがあるため、

炬火を手にするのは、全て今年神官や巫女になったばかりの者で、

最初で最後の大舞台に、みな緊張と興奮でこわばった表情をしている。


レアの親友であるサラも、やはり同じように硬い表情で位置についていた。



・・私なんかより、レアの方が大変なんだから、私も頑張らなくっちゃ。



サラは、祭祀王になったレアを一言応援してやりたかったが、邪魔をしたくなくて、結局会うことはしなかった。


広場に集まった民衆は、固唾を呑んで舞台を見つめている。

祭祀王が登場するはずの舞台を。

その舞台の袖では、みなの期待を一心に背負った少女が、深く深呼吸をしていた。



・・不思議だわ。マルス様に会ったとたん、震えがおさまった。



レアは、神に捧げる美しい化粧をほどこし、頭にはすっぽりと布をかぶっていた。

その布は、金糸で縫い取りがされ、額には、さまざまな大きさの水晶が3本の鎖にぶら下がって揺れている。

それは、暗闇の中で神秘的とも、妖しげとも言えるような不思議な輝きを発していた。




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