国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい

ラウススの顔を見て、レアは、その気遣いが嬉しかった。

6年間一度も会わなかったのに、相変わらず兄のやさしさに変わりはないらしい。


「ウェスタの巫女は結婚しないから、そういう話には疎いのよ」


マリカを擁護したはずのレアの言葉に、当の本人は首を振った。


「違います。私の国では、母親が違っても、父親が同じ兄弟は、結婚できないんです」


「「えっ?」」


兄弟は、二人同時に顔を見合わせた。


「マリカは、ウェスタの生まれではないの?」


「はい。私は、隣のチェルシーの生まれです。と言っても本当にそこの生まれかは分かりませんが」


「生まれが分からないって、それはどういうことだ?」


ラウススがレアよりも先に疑問を口にする。


「物心ついたときには、奴隷としてあちこちを転々としていたんです。

けど、力はないし、子供だから、役に立たなくて。

10歳になれば、巫女見習いにして元が取れるって、一つ前のご主人様が言ってました。

ここは、食べ物に困らないし、布団で眠れるし、天国のようなところですよね」


マリカは、幸せそうに微笑んだ。








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