国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
「天国・・か」
ラウススがポツリとつぶやく。
ラウススから見れば、ここはまるで地獄のようだった。
大事な妹をとりあげられ、6年も音信不通だったうえ、やっと会えると思ったら、監視付で、不愉快この上ない。
しかし、マリカの言葉は嫌味でもなんでもなく、彼女にしてみれば真実そうに違いなかった。
上を見ればきりがないが、下を見れば、自分よりも酷い境遇にさらされるものの、なんと多いことか。
ラウススは、マリカに同情を覚えずにいられなかった。
目の前にいる自分の妹も、同じ感情を持ったのだろう。マリカを優しい瞳で見つめている。
「マリカ。お前が上級巫女になったら、僕も診てもらいに来てもいいかい?」
この日はじめて、ラウススはマリカに笑顔を向けた。
はいっ!と元気の良いマリカの声が狭い部屋いっぱいにこだました。