国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい

マルスの母ヴェローナとニュクスは、前王の妾妃と正妃という微妙な立場にありながら、

なぜかマルスの生前から非常に仲がよく、彼も物心がついた頃から自然にニュクスを慕うようになった。


実母の死後、本当の母のように、あれこれと自分の世話を焼いてくれるニュクスに、

マルスは一度聞いたことがあった。


『父を取り合う恋敵なのに、どうして母と仲が良かったのか』

と。

ニュクスはしばらく真剣に考えると、


『共通の敵がいると、女は一致団結するからかもしれませんね』


と答えた。


『共通の敵?』


『あなたのお父上ですよ』


内緒ですからね、とニュクスは人差し指をマルスの唇の上にたてた。


この美しい義母は、あの頃と少しも変わっていない。


マルスは自分を心配してやってきたニュクスの笑顔を見て、自然に肩の力が抜けた。










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