国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
ホーエンの巨躯に隠れて、まったく姿が見えないが、確かに二人分の足音が近づいてきた。
「夜分に失礼いたします。お話がございます、が・・」
ウルウは、ちらりとニュクスに視線を移すと、ニュクスはにこりと微笑んだ。
「分かっている。レアの兄のことだろう。ニュクスには一緒に話を聞いてもらう。
正義の審判だ。文句はあるまい」
ウルウの小さい瞳が一瞬強い輝きを放ったが、誰にも気付かれぬうちに元に戻った。
「わかりました。では、お尋ねします。
レアの兄は、私が立会人の下、面会を許可いたしました。
どんな罪状で投獄されたのかお教えください」
ニュクスの美しい眉が形を変えるのが、マルスの目の端にも映る。
「その前に俺の質問に答えろ。兄と言えど、男との面会は厳しい制限があるはずだ。
なぜ、二人を会わせた?」
公正なウルウがレア一人をひいきするわけがない。
うすうす分かってはいたが、この期におよんでも、マルスは自分を納得させられないでいた。