国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
「レアは、母の死を知っているのか?」
ほんの一刻前に、部屋を荒らしまわった人物とは思えないほどの弱弱しい声。
「はい。兄から聞いたと。それで、王よ。そろそろ私の質問に答えをくださいませんか?」
ウルウは、口調を荒げたりはしなかった。
マルスの打ちひしがれた様子を見れば、これ以上責める必要などない。
マルスは、すでに彼自身の中において、深く反省しているはずなのだから。
「マルス王。王がなぜ巫女の兄を投獄したのかはわかりませんが、
愛する親の死に、錯乱していたのかもしれません。
どうか、このウェスタのために尽力している妹に免じて、
その兄を釈放してはいただけませんか?」
ニュクスの言葉に、マルスは、ただ黙って頷いた。
何を考えることもなく。ニュクスの言葉に従っていれば、自分の過ちを取り戻せた。