国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
ふいに、マルスは、この光景に既視感を覚えた。
自分の考えを持っているふりをして、
自分の意見を主張しているふりをして、
空っぽの自分に恥じることもなく、
ただ、物分りのいい王を演じて、他人の意見に黙って頷く。
いつもの宰相会議に似ているのだ、とマルスは思った。
・・そうか、
俺がなぜレアの前で、あれほど自分にいらだつのか、わかった気がする。
マルスは短く息を吐いた。
その自覚は、大きな一歩を踏み出すための、小さな一歩だった。