国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
マルスの心に変化の兆しが見え始めた頃、レアは、部屋の中で沈痛な面持ちをしたまま椅子に腰掛けていた。
その横では、サラが部屋の中をぐるぐると行ったりきたりしている。
「サラ、ちょっと落ち着きなさいな」
自分の兄を自分以上に心配している親友に、レアはふと笑みをこぼした。
「レアったら、何落ち着きはらってんのよ!
お兄さんがつかまったっていうのに」
サラは呆れ顔でレアを眺めた。
自分と違い、いつも静かに落ち着いている親友は、こんなときでも、いつもと変った様子がない。
「大丈夫よ。ウルウ様が王とお話ししてくださるのだから」
レアは自分に言い聞かせるようにお茶をごくりと飲み干した。
多分、サラが部屋にいてくれなければ、自分の弱い心はぽっきりと折れていたかもしれない。
感情をまっすぐに吐き出すサラが自分のそばにいてくれたことに、
深く感謝するとともに、
彼女がいかに自分にとって重要な位置を占めているのか、レアは再認識した。
「ラウスス兄さんは、大丈夫」
レアは、もう一度、強く声に出した。