国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
今までも、レアは何度も王であるマルスに対して無礼な態度を取っている。
しかし、いったんは機嫌を損ねても、心を込めれば彼はレアの意見に耳を貸し、最後には硬化した態度を改め、自分を許してくれた。
あれは、たんなる気まぐれだったのだろうか、
それとも、たかが一介の巫女の言葉など、歯牙にかけるほどのものでもなかったのだろうか。
レアは自分の受けた衝撃が、兄が捕らえられたことによるものだと分かってはいたが、
それだけではないことに、心の隅で気付いてもいた。
マルスが自分に見せた本気の怒り。
そう、やはりマルスは、自分に対して何かを怒っているのだろう。
だからこそ、自分はこんな風に心が痛むのだ。
レアは、マルスに会いたかった。
会って彼の心の中を知りたかった。
怒りの原因さえわかれば、マルスの怒りをおさめられるのに--。
何度も考えをめぐらせたが、やはりレアにはその答えがさっぱり見つからなかった。
ふいに、自分のことばかりだわ、とレアは自嘲気味に笑った。
こうなってくると、自分が本気で兄の心配をしているのかさえ怪しくなってくる。
最近の自分は、どうもおかしい。なぜか、自分本位でわがままになっている気がする。
もしかしたら、それが本当の自分なのかもしれないと思って、レアはため息をついた。