国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
その時、遠慮がちに扉の音がなって、レアはハッと顔を上げた。
「どうぞ」
レアの声と同時に扉から現れたのは、見覚えのない中年の女性だった。
金の髪を持つその女性は、絵から抜け出てきたのかと思えるほどに美しく、同性であるレアから見ても、魅力的に映った。
「あの・・?」
「あぁ、ごめんなさい。私はニュクスと言います。マルス王の義理の母にあたります。
巫女の任命式のときにお会いしているのだけど、覚えているかしら」
部屋に入ってきても、何も言わずにニコニコと自分を見つめる女性に、怪訝な顔をしていたレアは、
彼女の言葉に、声を失った。
「申し訳ありません!」
レアは、ニュクスの前に跪いて、頭を下げた。
任命式の時は、追放のことばかり考えていて、王族の席など満足に見てはいなかった。
もちろん、ニュクスの顔など、いくら記憶をさぐっても、片鱗さえ残ってはいない。