国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
一方、王宮でも、わずかながら変化が起こっていた。
それは、宰相会議においてであった。
「では、今年の税率を昨年度より1割上乗せということでよろしいですかな」
マルスの伯父であるアニウス大臣が、皆の意見を取りまとめ、マルスに最終判断を求める。
マルスは、『わかった、それでよい』と威厳を持って発言するはずだった。
今までならば・・・。
「ちょっと待て。どうしても税収を上げなければ、国政がまわらぬのか?」
「はぁっ?」
アニウスは、すこし高い女のような声を発した。それもそのはずだ。
宰相会議でマルスが質問したり、意見したりすることなどほとんどないことだ。
しかも、まるで、慎重さを求めるような意見を口にしたことなど、
彼が即位してこの4年間、ただの一度もなかったのだ。