国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい

一方、王宮でも、わずかながら変化が起こっていた。

それは、宰相会議においてであった。


「では、今年の税率を昨年度より1割上乗せということでよろしいですかな」


マルスの伯父であるアニウス大臣が、皆の意見を取りまとめ、マルスに最終判断を求める。


マルスは、『わかった、それでよい』と威厳を持って発言するはずだった。

今までならば・・・。


「ちょっと待て。どうしても税収を上げなければ、国政がまわらぬのか?」


「はぁっ?」


アニウスは、すこし高い女のような声を発した。それもそのはずだ。

宰相会議でマルスが質問したり、意見したりすることなどほとんどないことだ。


しかも、まるで、慎重さを求めるような意見を口にしたことなど、

彼が即位してこの4年間、ただの一度もなかったのだ。




< 215 / 522 >

この作品をシェア

pagetop