国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい

宰相会議に出席している海千山千は、若い王が何の気まぐれを起こしたのかと、

薄笑いを浮かべて事の成り行きを見守っている。


「マルス様。なにか我等に不手際がございましたでしょうか?」


アニウスは、マルスの問いには答えず、軽くあしらうつもりで、他の面々と同じような困った笑いを浮かべる。


「いや、そんなことはない。

だが、民衆は今も辛い生活を強いられていると聞く。

生活が成り立たなくなって子供を奴隷として売っている者も多いとか。

税収を上げる前に、まず国政を見直すべきではないのか」


一部の大臣の中には、マルスの真剣な表情に、口元を引き締めるものもいた。

しかし、ほとんどの者は、王の気まぐれがいつまで続くやら、というような、嘲りの笑みを浮かべており、

この茶番につきあわなければならないことを、仕方なく子供の遊びに付き合う程度のものに考えていた。





< 216 / 522 >

この作品をシェア

pagetop