国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
第一口答官の答えは、マルスに対しては、落第点であったが、自分の身を守るための答えとしては満点であった。
目の端にアニウスの渋面がうつり、とっさにあいまいな返事を返した。
事実上、この席ではアニウスが最高権力者であり、媚を売るべきはマルスではなく、アニウスだったからだ。
「ほう。口答官ともあろうものが、それくらいのことを覚えていないとはな。
若い者に、その席を譲る用意が整ったようだな」
マルスは、老齢の口答官を痛烈に皮肉ると、まあ、いい、と笑顔になった。
「次回の宰相会議は3日後だ。
それまでに、今までの増税の記録と、それに伴って行われた国政の改革について述べるように。
第一口答官、それにアニウス、よいな!」
マルスの否やを言わせぬ迫力に、第一口答官は、ははっ!と頭を下げ、
アニウスは、下げた頭の中で、舌打ちをした。
ただの気まぐれか、それとも・・・。
アニウスは、目を細めて、議場を後にするマルスの背中を追った。