国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
目を覆うばかりにギラギラと輝く太陽が、垂直にもっとも強い日差しをもたらしている頃。
宰相会議が終わったのは、ちょうど夏の始まりの、そんな暑い時刻だった。
マルスは、軽やかな足取りで自室の扉を開いた。
昼の食事の準備が整い、主の帰りを待っていた部屋で、侍女がマルスに頭を下げた。
「うまそうだ!」
マルスの機嫌の良さに、侍女は怪訝な顔をした。
会議の後は、いつも気だるそうに帰ってくるはずの主が、今日はやけに機嫌がいい。
・・この気分の良さはどうだ。
マルスは、目の前の食事に手を伸ばした。心なしかいつもよりもおいしく感じる。
こんな風に、すがすがしい気分で会議を終えたことは、今までになかった。
退屈で、無意味で、窮屈な義務の時間・・。
マルスにとって、宰相会議とはそういうものでしかなかったし、
それ以外のものになりえる可能性など、ちらとも感じたことはなかった。
だが、なぜだろう。
ほんの一つ、自分の考えを述べただけで、こんなにも心が豊かになった気がする。
そう、それは、胸を張って国務を行っているのだと言う、自負ともいえる新鮮な気持ちだった。