国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい

太陽が顔を隠すと、昼間の暑さが嘘のように、冷気が息をし始めて大地を満たす。


月明かりの漏れる窓辺に腰掛けて、レアは薬草をすりつぶしては自分の口に運んでいた。



・・だめだわ。これではまだ、ずいぶんと苦い。



--それは、今日の昼間のこと。

施薬館を訪れた子供に、レアは、習ったとおりの施薬を施した。


ところが当の本人は、一口飲むなり、嫌がって薬草を受け付けなくなってしまった。

母親は、無理強いして口に含ませたが、子供の泣き喚く声が、施薬館中になり響いた。


子供の泣き声というのは、健康な人間でも癇に障るものだ。

ましてや病の人間の耳には、ひどく強烈に響く。

不案内で、心細く感じている家族にも、いらぬ不安を感じさせてしまう結果になった。


見かねた他の上級巫女が、わがままを言わずに飲みなさいと一括したが、 

子供はますます泣きじゃくるばかりだった。





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