国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい

他の巫女たちは、まったく困った子供だとばかりに、わざとらしくため息をつき、

子供の母親は、逃げるように施薬館を去っていった。


レアは、それまでにも、飲みたがらない子供に、母親が手を焼いているのを見てきたが、

自分の勉強に精一杯で、とてもそれを気にしている余裕はなかった。


しかし、薬草もかなりの種類を覚え、施薬にも少しずつ自信を持つと、

なんとかして、楽しんで薬草を飲ませられないかと思い始めた。

子供が飲めるくらいに改良できれば、大人にとってもいいに決まっている。

沢山の薬草を手に、いくつかの薬草を混ぜたり、水で薄めたり、色々な工夫を重ねていた。



・・だめだわ。



何度やっても思い通りにいかず、レアは窓辺から月を見上げた。



・・兄さんは、今どの辺にいるのかしら。



ニュクスからは、会うことを許されると伝えられていたが、残念ながら

釈放された兄に会うことは許されず、ただ無事に旅立ったとだけ教えられた。



・・・・・・。



兄のことを思い出すと、同時に一人の男の姿が思いうかんで、レアは慌ててかぶりをふった。



・・忘れなくては。



レアの長いまつげが、ふんわりと瞳を覆った。





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