国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい

忘れよう、と意識することは、つまり忘れようと努力しなければ、忘れられないということを意味する。

そして、たいていの場合、その努力が実ることはない。


瞳を閉じると、かえって、より細密にマルスの顔が描き出されてしまい、レアは嘆息した。



・・私は、弱い女だわ。



レアは、マルスの影をどうしても自分の心から追い出すことができず、

それを弱さのせいだと考えていた。


神殿という、隔絶された特殊な空間においては、レアが、それを弱さだと捉えてしまうのも仕方のないことだった。


誰かに打ち明ければ楽になれるのかもしれない。

しかし、その誰かはサラしかいなかったし、言えば自分の苦しみは軽くなっても、

同じ苦しみを彼女に与えてしまうだろう。


レアは、ただ一人きりで、この胸が締め付けられるような想いに耐えなくてはならなかった。



再び、薬草を口に含むと、口の中が苦味で一杯になり、思わず吐き出した。


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