国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい

コツン。


耳をすまさなければ、聞こえないほどの小さな物音。

レアは、いったんは手をとめたが、風の音だろうと思い、すぐにすり鉢の中で薬草をすり始めた。


コツン。



・・何かしら。



今度は、さっきよりもはっきりとした音で、しかも外ではなく、部屋の内側からしたようだった。

部屋の内側--扉の方で。


レアは、手を休めると、恐る恐る扉を目指した。数歩進めば、目的の場所までたどり着ける。

そっと木枠に手をかけると、音がしないよう細心の注意を払ってひいてみた。


月明かりに慣れていた目に、廊下の闇は、まるで深淵を覗き込んだようだ。

何も見えず、扉を閉めようとしたとき、レアの耳元に、人の吐息がかかった。


「レア・・」


聞き間違えるはずのないその声に、レアは夢でも見ているのかと自分の体を抱き寄せた。


「--マルス王・・」





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