国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
マルスは女性の部屋に入るのが初めてでもないくせに、妙にそわそわしていた。
しかし、それも部屋に一歩入るまでのことであった。
灯りさえない暗い部屋。
マルスの歩幅なら、3歩もあれば、部屋の端までたどり着けそうだった。
粗末な寝台と、小さな机と椅子が置いてあるだけで、あとは何もない。
狭い部屋なのに、物がないせいで、広く見えさえする。
床は、歩くたびにきしみ、扉からは隙間風が入る。冬になれば相当に冷えることだろう。
マルスは、想像以上の質素さに、口角が下がり、目を細くした。
「レア。巫女は皆、このような粗末な部屋に住んでいるのか」
「粗末ですか?私には、むしろ贅沢な暮らしに思えますが」
「贅沢だと?」
予想もしないレアの言葉に、マルスはこの部屋を訪れた目的も忘れて、立ち尽くした。