国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい

月明かりが入るといっても、窓際がほのかに明るいくらいで、部屋の中はかなり暗い。

それなのに、マルスの青い瞳はキラキラと輝いていて、なぜかはっきりと見て取れる。

闇に支配されない方なのだわ、と、レアはそう思った。


「私の家は、4人暮らしでしたが、この部屋とたいして変わらないほどの広さで寝起きしておりましたから。

台所は外にありましたし」


レアがマルスの質問に答えると、彼はますます怪訝な顔になった。


「外だと?」


「はい。もともとは室内だったのですが、壁が壊れてしまって、そのまま修繕もできずに暮らしていました。

食べることのできない日もありましたし、冬は寒くて眠れない日もありました。

それに比べれば、ここは天国です。

日に2回の食事が摂れ、雨漏りもさほどしませんし、一人一人個室が与えられますから。

もっとも、兄に言わせれば、家族が離れて暮らすようなところは、地獄だと・・」


ラウススの話に及んで、レアは、はっとした。





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