国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
「あの、そう言えば、きちんとお礼を申し上げていませんでした。
兄を許してくださり、ありがとうございます」
レアは、深々と頭を下げた。
「いや、それは・・・俺が悪かった。許せ」
マルスは、ばつが悪そうに、レアから視線をはずした。
窓の外に見える月は、ずいぶんと低い位置に見える。
レアは、マルスが自分の非を認めたというのに、それが意外だとは思わなかった。
むしろ、最初から、こうなることを知っていたような気がした。
「レア。俺は、お前の兄と少しだけ話しをしたのだ」
「兄と、ですか?」
それは初耳だった。
王がラウススとレアをもう一度会わせる様命じたのに、神官長のウルウがそれを許可しなかったのだと聞いていた。
レアだけを何度も肉親と会わせる事は、公平ではないから、と。
レアは、それに納得したし、今更、ラウススの話がマルスの口から語られるなど、思ってもみないことだった。