国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
「いえ、恥ずかしいと思ったことはありません・・」
「まぁ!そうなの?
でも、そうかもしれないわね。神にお仕えするからには、結婚はできないのだし、
私のように、周囲の視線など、気になったりはしないんでしょうね。
おかしなことを言ってごめんなさい。
本当に尊いお仕事よね!」
ディスコルディアの声が、いっそうかん高く響いて、レアはうつむいた。
自分の荒れた手を恥ずかしいと思ったことなど、ただの一度もない。
幼い頃から母を手伝い、巫女見習いとして農作業を行い、そして今は、薬草の採取や施薬を行っている手だ。
自分の愛する母と同じ手。それを汚いとも恥ずかしいとも思っていない。
むしろ、それは、自らがひたむきに仕事に打ち込んだ証として、誇りにさえなるものだ。
しかし、今、自分と変わらぬ年の、美しい少女に言われた言葉が、なぜか鋭い短剣のように、レアの心に突き刺さった。
改めて、目の前の王族の少女をまじまじと眺める。
豪華な衣装をまとったディスコルディアの美しさは、しかし、たんに衣装のみによるものではないだろう。
ふんわりとした髪、しなやかな長い指先。
ほくろ一つ見当たらない白い肌にいたっては、どんな手入れをしているのか見当もつかない。
そしてなにより、彼女の内側からは、支配する側の人間だけが持つ、特別な何かが光を放っていた。