国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい

「何が言いたい?」


マルスの台詞は、あくまでアニウスに向けられたものだが、

彼のすさまじい迫力に、この場にいる誰もが、自分が責められたかのように、冷や汗をかいて息を詰めた。

あるものは俯き、あるものはアニウスの顔色を伺い、あるものは怖いもの見たさでマルスの顔を盗み見る。


ただ一つだけ確かなことは、

この場にいるアニウス以外の誰も、問題の打開案を持ってはいないということだった。


もったいぶって、アニウスはひとつ、咳払いをした。


「簡単なことでございます。

王が身を固め、世継ぎをもうければよいのです。

さすれば、民は安心し、このウェスタの末代までの繁栄を確信することでしょう。


民には、税を納める義務がございますが、王には民に安心を与える義務がございます。

まずは、王が義務を果たし、そのうえで、民に義務を求めるべきではありませんか」


おお、なるほど!


とざわめきの中でも、アニウスの意見に賛同するものの声がはっきりと聞こえる。

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