国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい



・・くそっ!狸め!



マルスは、アニウスにうまくはめられたのだとわかり、歯噛みした。

確かに、さっさと世継ぎをつくらなくては、王としての義務を果たしているとはいえないだろう。

今までも、何度となく重臣会議で、せっつかれてはいた。


おそらく、増税の話も、アニウスが命令したのに違いない。

そうでなければ、自分から調査を申し出るはずがないだろう。


しかし、確たる証拠があるわけでもない。


自分に逆らって、増税を推し進めたアニウスに、

内乱の責任を取らせようと考えていたが、まさか逆手に取られるとは・・。


マルスは、自分の力のなさが、これほど悔しいと思ったことはなかった。


おかまいなしに、アニウスは、よくまわる舌に、はずみをつけた。


「いつまでも王が一人身でいらっしゃるので、

もしや、前王のように、王位を捨てておしまいになるのではないかと、

みな不安がっております。


王が妃を迎えたさいには、各地で祝いを催し、

酒や肴などを無償でふるまってはいかがでしょう。

自分たちが見捨てられていないことを知れば、民は安堵いたします」






< 314 / 522 >

この作品をシェア

pagetop