国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
・・くそっ!狸め!
マルスは、アニウスにうまくはめられたのだとわかり、歯噛みした。
確かに、さっさと世継ぎをつくらなくては、王としての義務を果たしているとはいえないだろう。
今までも、何度となく重臣会議で、せっつかれてはいた。
おそらく、増税の話も、アニウスが命令したのに違いない。
そうでなければ、自分から調査を申し出るはずがないだろう。
しかし、確たる証拠があるわけでもない。
自分に逆らって、増税を推し進めたアニウスに、
内乱の責任を取らせようと考えていたが、まさか逆手に取られるとは・・。
マルスは、自分の力のなさが、これほど悔しいと思ったことはなかった。
おかまいなしに、アニウスは、よくまわる舌に、はずみをつけた。
「いつまでも王が一人身でいらっしゃるので、
もしや、前王のように、王位を捨てておしまいになるのではないかと、
みな不安がっております。
王が妃を迎えたさいには、各地で祝いを催し、
酒や肴などを無償でふるまってはいかがでしょう。
自分たちが見捨てられていないことを知れば、民は安堵いたします」