国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい



・・本当に、お変わりになった。



マルスの斜め後ろで、空気のように彼を警護しているホーエンは、

そっと主人の横顔を盗み見た。


ホーエンは、マルスが生まれたときに、前王である彼の父から命じられ、護衛兵になった。

幼い頃は、素直でやんちゃな子供だったが、いつからだろう。

彼は、あまり本心を見せなくなった。

いや、見せなくなったというよりは、物事に関心を持たないように心がけていたというべきか。


ほしい物も、ほしくないと言い、やりたいこともやりたくないと言い。

それは、本心であるようにも見えたし、そうでないようにも見えた。


ただ、間違いないのは、周囲が狼狽するほど、

彼がわがままを通して、何かに固執したことはないということだった。


うわべは、遊び以外の何にも関心のない、愚かな王。

しかし、そこには、ひどく破滅的な、緩慢な自殺とも言える、周到な計算があるようにも思えた。

それも、本人の自覚がないまま・・・。




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