国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
人払いをしたはずの部屋に、侍女が大慌てで駆け込んでくる足音がドタドタと響く。
ニュクスはとっさに寝台に腰をおろして、何事もなかった風を装った。
と、同時に、侍女が室内に入ってきた。
「何事です?人払いをしたはずですよ」
「もうしわけございません。それが、王が!」
「王がどうかしたの?」
ニュクスには、もう侍女の答えは必要なかった。
重い足音が聞こえる。その人物が答えだった。
「夜半に、突然訪ねる無礼をお許しください」
マルスは、深々と頭を下げる。
いつもの若者らしい覇気はなく、まるで年寄りの訪問をうけたようだ。
侍女に目配せして下がらせると、ニュクスはマルスの悲壮な顔を両手で包み込んだ。
「何があったのですか?」
見当はついていたが、あえて知らぬふりをした。
ここ数日、王宮に仕える者で、その噂を知らない者はいなかった。
ただ一人、マルスを除いて。