国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
普段なら、ニュクスは寝室の隣にある客間で、マルスをもてなしている。
が、あえて、この場にある椅子に、腰をかけるよう促し、自らお茶を用意した。
(この部屋の方が、都合がいいでしょう?)
机の上には、食べかけの夜食が置かれている。
マルスは、いつもと様子の違うニュクスに気付くほど、心の余裕がなく、
薦められるまま座すと、すぐに、本題に入った。
「単刀直入にお伺いします。
俺の父親は、
誰ですか?」
ニュクスは、お茶を飲もうと口をつけたまま、動きを止めると、コップを机の上に戻した。
一瞬、寝台の下のほうに視線を投げたが、動きがないとわかると、マルスの顔を正面から見据える。
「何をお疑いか知りませんが、マルス様は正真正銘、
前王、ユピテロカ様とヴェローナ様との間に生まれた御子でございますよ」
ニュクスは、まさかその質問が来るとは予想していなかったので、ほんのわずか動揺した。
・・一体誰がそのようなことを王に吹き込んだのか。
“あの人”も、いさぎよく出てくればいいのに。