国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
ニュクスは、自分の心を見透かされているような気がして、なんとなくおもしろくなかった。
「おい、おかわりあるか?」
そんなこと、侍女に頼めばいくらでも持ってきてもらえるけど。
「ありません」
「え~、まじかよ。これっぽっちじゃ、全然足りん」
「今年は不作で、大変なんです。
それくらい我慢してください」
本心からそう思っていったわけではなかったが、男は、険しい顔つきになった。
「北から下ってきたのでしょう?途中の町々は、どうでしたか?」
瞬間的に、王の顔つきに戻った男に、ニュクスは町の現状があまり芳しくないのだと悟った。
つい、この間は、南の地で反乱が起きたばかりだ。
なんとか治まったものの、今度は、北の地で餓死者が出始めたと聞く。
「そうだな」
男は無精ひげを撫でつけながら、目を閉じた。