国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
男の目に悲しみの色が浮かんだことを、ニュクスは敏感に嗅ぎ取ったが、
何か言う前に、男はすぐに表情を変え、あきれた顔で自分を見あげた。
「お前は本当に、マルスの母親みたいだな。
自分の腹を痛めて産んだ子供はどうでもいいのか?」
「あの子には私がおります。男の子には、男親が必要なのです!」
はあ~い、はい、と適当に返事を返して、男は席を立った。
「え?もう行かれるのですか?」
ニュクスは驚いた。
食べるだけ食べて、立ち去るなんて。
てっきり、一晩泊めてくれと言われるのだろうと思っていたのに。
「なんだ?」
男は、しばらくの間、目を丸くしているニュクスをぽかんと見ていたが、
すぐに彼女の心を、“勘違いして”、ははん、といやらしく唇の端を吊り上げた。
「なるほど。俺に何か期待しているわけだな?」
ニュクスの顔に、さっと、朱が差した。