国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
マルスが、レアを妻に迎えると宣言した話は、光の速さで神殿の中を通り過ぎていった。
『王がレア様を妃にと宣言したそうよ』
『なんでも、シギネア様をお断りになったとか』
『どうやって王に取り入ったのかしら』
『でも、もめてるんでしょ?見ものよね。
ここだけの話だけど、シギネア様は、自分が妃になるって吹聴していたのよ。
まさか、王に断られるなんてね』
『ちょっと!ほら・・・』
もう一人の噂の当事者であるシギネアが、大またでドスドスと歩いている。
その瞳はつり上がり、眉間には深いしわ。
への字に曲がった口元だけを見ていると、彼女が美少女であることを思い出せないほどだ。
「何を見ているの!さっさとあっちへおいきなさい!」
興奮したように金切り声を上げたシギネアの周りで、蜘蛛の子を散らしたように、神官たちが走り去った。