国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
「レア。話は後だ。早く逃げないと、夜が明けてしまう。
朝までに、なるべく遠くまで行かないと。
心配しなくても大丈夫。
ある人が、僕たちを助けてくれて、ちゃんと逃げる手伝いをしてくれるから」
「ある人?」
「行こう。ここを出たら、ゆっくり話すよ」
ラウススは、もうレアの言葉に耳を貸さなかった。
ぐいぐいと腕をひいて、扉のところまで来ると、いったん止まって、外の様子を窺う。
「お願い、兄さん。大事なことなの。私の話を聞いてちょうだい」
レアの悲痛な叫びにも反応せず、ラウススは、ここから抜け出すことに必死だ。
見つかれば、レアは磔、自分も殺されるだろう。
命がかかっているのだ。平静ではいられない。
レアの口を掌で押さえて、静かにするように合図すると、ラウススはゆっくりと扉を開いた。
誰もいない廊下に、忍び出る。
ここで騒いでは、誰が来るかもしれない。
いっそ、外まで出てから話し合ったほうが、ラウススも逃げやすいだろう。
レアは仕方なく、ラウススに引かれるまま、忍び足で歩き出した。